「えへへ〜、先輩とこんなに一緒に居られるなんて……幸せです〜。
 先輩が家まで送ってくれるだけでなく……夜の公園にまで入って手繋ぎデートしてくれる
 だなんて……」
「…………」
 ……補足すると、駅から瑚子の家まで行こうとしたら、「こっちのほうが近道です!」
 とばかりに公園の中に引きずり込まれた。
 不可抗力だ。
「えへへ〜、先輩と夜の公園、手繋ぎデートーっ。うふふっ♪」
「テンション高いなぁ……」
「先輩が低過ぎるんです、恋人とのデートですよ!
 先輩ももっと楽しんでください〜。大丈夫です、この公園いつも人居ないですし。
 夜の住宅街でお話するよりはお勧めです」
「まあ、確かにそうか……」
 しかし、夜の公園と思うだけで……なんだか危険がいっぱいな気がする。
 ……大体人いないってどういうことだ……調べたのか……? 偵察してるのか……?

「先輩、なんかつまらなそうです……。ココとのデートなのにー。
 はっ……、もしや恋人だと思っていない……!? 確かに……、ココは家畜だもの……!」
「そうじゃねえ!」
「先輩っ、豚を連れて散歩してる気分はどうですか?」
「やめろ、せめて犬……」
 しまった、失言だった!
「犬、犬って言ってました! ココ、聞いてました!
 先輩もついに、犬なら許容できるようになったんですね! ココ、感激です!」
「違う……! そういうわけでは……!」
「およ、では、どういうわけです?」
「犬なら……可愛いかと……」
「およよー、先輩が犬好きとは、意外です」
「まぁ、嫌いじゃないよ……。可愛いし」
「犬に例えるならココはなんですか? 大型犬?」
「いや、どっちかっていうと、小型犬じゃないかな?」
 なんというか、ちょこまか動き回る感じが、小型犬ぽいというか。
「巨乳の小型犬です?」
「いや、それはおいといて……」
「巨乳といえば、牛ですよね!」
「なんで家畜に持って行くんだよ!! 犬の話に戻れよ!」
「いえ、なんだか犬だと可愛すぎて、ちょっと恥ずかしいです……。
 ココ、可愛いってことですか?」
「いや、まあ、それは……可愛いよ」
「わ……、ありがとうございます……!
 なんかそんなこと言われると、母乳が出るようになったら、搾乳機プレイがしたいとは
 言えなくなりました」
「言うなよ……!」
「いいじゃないですか! ドMの憧れなんですよ?」
「絶対そんなことない! なんか、もうちょっとマシな……」
「ちょっとタオルで縛ったり、目隠しくらいならイケますか?」
「それなら……まあ……」
「先輩、ココのハードSM妄想を聞きすぎて、ソフトSMがイケるようになってます!」
「! そんなことは、ない!」
「あります、ココにはわかります! やりました、ココ頑張ってきた甲斐がありました!」
「くっ……!」