みちる |
「けれど、そんなに悲観しないで。大丈夫よ。
私は、こう思ってるの。この場所は……楽園″だって」 |
櫂 |
「……楽園……? 何もないこの場所が?」 |
みちる |
「大丈夫、暮らす場所はあるの。そして、貴方は選ばれたのよ」 |
櫂 |
「暮らす場所……? それに、選ばれたって……?」 |
みちる |
「そう、貴方にはこの楽園で、暮らす権利があるんだわ。だから、怖がらなくていいの……」 |
櫂 |
「そんな……、そんなの、信じられるわけないだろ? 楽園なんて……」 |
みちる |
「確かにそう。貴方の言う通りね。それは貴方が自分の目でこの場所を見て、自分で決めることだわ。
それでも……、この場所に居る限り、生きて行くのに不自由することはないと思うわ」 |
みちる |
「初めまして、私はみちるよ」 |
櫂 |
「……みちる……」 |