灰奈 |
「櫂さん……」 |
真希奈 |
「何よ、櫂に頼るわけ?」 |
灰奈 |
「ち、違います……、そういうわけでは……」 |
櫂 |
「落ち着けって。何があったんだ?」 |
灰奈 |
「あ、あの……、私の言葉で、不快な思いをさせてしまったみたいで……」 |
真希奈 |
「じゃあ、なんで謝ってたわけ? わたしがなんで怒ってたのか、わかってないんじゃん!」 |
灰奈 |
「あっ、あの……、それは……。すみません……」 |
櫂 |
「真希奈っ。……ちゃんと、言うんだ」 |
真希奈 |
「……その子が。その子が……、……わたしの、髪を……」 |
櫂 |
「髪? 灰奈、なんて言ったんだ?」 |
灰奈 |
「あ、あの……、髪が、短くて……、綺麗ですねって……、素敵ですって……、お話、したんです……」 |
櫂 |
「良かったじゃないか、なんで怒るんだ?」 |
真希奈 |
「自分の髪が長いからって……」 |
櫂 |
「灰奈は、そんなつもりで言ったんじゃないよ」 |
真希奈 |
「でも……、馬鹿にされた、気がして……」 |
櫂 |
「そっか。灰奈、戻っていいよ。灰奈は悪くないから」 |
灰奈 |
「あ、あの……、すみませんでした……」 |